妊活に使う漢方薬その1~当帰芍薬散

2015-12-08

妊娠希望の人だけでなく、比較的多くの女性に合う漢方薬。それが当帰芍薬散です。

 

古来より婦人の聖薬と呼ばれる漢方薬

当帰芍薬散は婦人科以外に内科や耳鼻科や脳神経外科、メンタルクリニックなどの処方せんでも見かける、本当に女性によく使われる漢方薬です。血の道を整えて、性周期に伴う女性のホルモンバランスを整えます。

 

産婦人科領域では月経不順、卵巣機能不全、月経困難症、不妊症、習慣性流・早産、妊娠中毒症、悪阻、子宮内膜症、子宮筋腫、産後の回復不全、更年期障害などに使います。体を温めて血を増やし、水分代謝を良くすることで、子宮や卵巣に力をつける働きがあります。

 

その他内科領域では貧血や冷え性、肩こり、耳鼻科領域でめまい、耳鳴り、精神科領域で心身症やパニック障害などの方に処方されています。

 

私が勤務している薬局には漢方外来からの処方せんもよく来るのですが、妊活中や、生理の悩みのある20代〜30代の女性にはいちばんよく使われている漢方薬だと感じます。妊娠前の体質改善には別の漢方薬を使っていた方が、妊娠したらそのまま出産まで当帰芍薬散のみに切り替えるということもよくあります。

 

当帰芍薬散を処方されている患者さんの感想で目立つのが、むくみが減って楽になった、というものです。先日も、立ち仕事で夕方、足がパンパンに張って、重くて上がらずつらい、と嘆いていた方が、楽に階段を上れるようになったと喜んでおられました。

 

漢方では水毒という考え方があって、むくみや冷えなどの原因になる身体の中の余分な水のことをいうのですが、当帰芍薬散はこの水毒を出して、体内の水分量を調節する作用があります。

 

当帰芍薬散が合う人合わない人 

当帰芍薬散が合う人の特徴は、

・色白で痩せ型

・虚弱体質で疲れやすく貧血ぎみの方

・手足や腰回りが冷える

・お腹が薄くて筋肉が細く、腹筋に力がない

・お腹が白く軟らかく、ポチャっとしている

・お臍の上あたりを触ると大動脈の拍動を感じる

・みぞおちあたりで水音がする

・左下腹部を押すと痛む

などです。

 

もちろんこれ全部が当てはまる人はなかなかいません。だいたいの傾向として考えてください。昔ながらの儚い美人のイメージでしょうか。昔は線の細い美人のことを、『当芍美人』なんて呼んだそうです。

 

しかし、当芍美人とは程遠い一見頑丈そうに見える人でも、お腹を触ると白くポチャっと軟らかいこともあり、その場合は当帰芍薬散が合うようです。

 

当帰芍薬散が合わないのは、

・体に熱がこもった感じ、のぼせがある

・赤ら顔で血色がよい

・中肉中背〜がっちりタイプ

・お腹に脂肪があり、かたい

などの特徴がある人です。

 

本来当帰芍薬散が合うタイプの方でも、風邪で熱があったり、炎症性の疾患がある時は悪化させる可能性があるため服用は控えてください。

 

また、当帰芍薬散を飲んでみて、味が非常に不快に感じる場合や、のぼせ、大量の発汗、頻尿、喉のつかえ、などが起こった場合は体質に合っていないことが考えられるので、服用をやめて専門家に相談してくださいね。