なかなか妊娠しない原因、それは精子と卵子の相性に問題があるのかも?

2016-02-05

精子と卵子の受精のしくみと不妊治療

長い間子宝に恵まれず離婚に至ったカップルが、お互い別の相手と再婚した途端に妊娠そして出産した、という話を聞いたことがありませんか。また、何年も彼氏が途切れず、毎回避妊せずにセックスしているのに全く妊娠したことがない、という女友達が、彼氏が変わって突然妊娠、あっという間におめでた婚、という話も私の周りでありました。

 

上記の話とは逆に、夫婦どちらにも不妊の原因となる異常がないのに妊娠しないケースが不妊全体の3分の1ほどあるそうです。

 

なぜこんなことが起こるのかの理由のひとつは、ある女性の頸管粘液の成分が特定の男性の精子を殺してしまうことです。男女の体質の相性が悪いという訳ですね。この場合は人工受精によって、精子を直接子宮に送り込んであげることで妊娠する可能性があります。

 

そしてもう一つ、男女の相性と同じく、精子と卵子という小さな細胞同士の相性が合わないことが理由として挙げられます。

 

精子は射精された瞬間から卵子に向かって泳ぎ始め、1番最初に卵子に到達したたったひとつの精子が卵子の中に入ると受精が成立します。

 

人の卵子は透明帯というタンパク質でできた殻で守られていて、精子は頭部の先にあるアクロソームという部位から酵素を出してこの殻を溶かし、卵子に侵入するのです。そして、精子の侵入が成功すると卵子の透明帯はタンパク質が変性して性質が変わり、受精膜と呼ばれる強固なバリアとなって、他の精子の侵入をブロックします。

 

この、精子が卵子にアプローチする際にアクロソームから出す酵素が卵子の透明帯に効かず、精子が卵子内に入れないケースがあるようです。

 

アクロソームに含まれる酵素には様々な種類があり、ある男性の精子が出す酵素では透明帯が溶けずに受精が成功しないということがあり、まさに精子と卵子の相性の良し悪しと言えるでしょう。

 

この場合は、あらかじめ卵子の透明帯を薬品処理して除去してから精子に触れさせて体外受精するか、針を使って精子を直接卵子に送りこむ顕微受精で解決する場合があります。

 

さらには遺伝子の相性が悪い場合も

その他に、受精した後着床まで進まないケースでは複雑な免疫機構での拒絶反応などが原因として挙げられますが、この場合はもう遺伝子レベルで相性が悪いと言わざるを得ません。よく言われるように種の保存の原則で、自分と似た遺伝子を拒絶しているのでしょうか。

 

人に限らず生物は生存の確率を上げるため、生殖の際に無意識のうちに自分と類似の少ない遺伝子を持つ異性をパートナーに選び、近しい遺伝子を持つ異性をパートナーから除外する傾向があるそうです。自分と異なる性質、特徴を新たに獲得して子孫に残すことで、生存競争に勝ち抜こうとしているのです。

 

余談ですが、思春期の娘さんがお父さんを臭いと思ってしまうのも、遺伝子的に最も近い異性であるお父さんを娘がパートナーに選んでしまわないためといわれます。

 

このような不妊の原因は体外受精、顕微受精など高度な不妊治療にステップアップした際に初めてわかることがほとんどです。タイミング法や人工受精の段階ではわかりません。

 

そのため、人工受精までしてもなかなか成功しない場合は、貴重な時間をロスしないためにも、早めにその先の体外受精、顕微受精といった高度医療に進むことをおすすめします。