あなたも隠れ「子宮頸管無力症」かも。どんなものか知っておこう
子宮頸管無力症、聞いたことはありますか?いったん破水などが起こるとそのまま切迫早産になることも。
妊娠するまで気づかれず、これを読んでいるあなたも隠れ子宮頸管無力症の可能性があります。妊活、不妊治療の心構えが変わるので、今のうちに知っておきましょう。
1.子宮頸管無力症とは
|子宮頸管が弱っている
膣と子宮の間にあるのが子宮頸管です。子宮の下部にあり、赤ちゃんの出口にもなっていて、成育を支え続けている部分でもあります。赤ちゃんは2~3kgくらいありますから、妊娠中に最も負荷のかかる場所とも言えますね。
通常は陣痛が起こり、子宮収縮が起こって赤ちゃんが押し出されます。しかしこの頸管部分が弱っていると、赤ちゃんを支えることができなくなったり、勝手に開いてしまって早産となる危険性があります。この胎児を支えられない状態を子宮頸管無力症と呼びます。
|子宮頸管無力症は「個性」に近い
子宮頸管はきたえることができません。そのため、子宮頸管無力症と診断された場合は、次の妊娠以降もそのリスクがあることになります。体質的な問題なので病気というよりは、自分の体はそういう特徴を持っているのだと知ることが大切です。妊娠しないと分からないので、症状が出てから発見される方がほとんどです。
原因の1つである「性感染症を防ぐ努力をする」のも1つの予防策と言えます。しかし原因はそれだけではないので、「子宮頸管無力症を予防する」よりも、「頸管無力症に続いて起こる問題を予防する、早期発見する」という意識を持ちましょう。
2.子宮頸管無力症の原因と問題
|原因はいろいろある
がんなどで子宮頸管の手術をしたことがある、以前の妊娠で裂けてしまった、クラミジアなどの性感染症に感染したことがある。こういった方は子宮頸管無力症になりやすいと考えられます。中にはこれといった原因が分からないけれど、支える力がなくなってしまったということもあります。現時点で予防に有効な薬やサプリメントはありません。
|症状とリスク管理
突然の破水、出血、切迫早産などがあげられます。支えられない状態になった時から症状が発生するので、様子見しないで病院に行くことを勧めます。子宮頸管無力症の場合は、発見が早ければ早いほど切迫早産のリスクを下げることができます。
ただ症状や経過には個人差があるため、体重何グラムの赤ちゃんだとリスクがあるよとか、頸管長が何cmだと危ないよ、といったことは言えません。中には数百グラムで切迫早産となる方もいるようなので、必ず主治医と相談して経過観察してもらうようにして下さい。
3.子宮頸管無力症の対策と克服方法
|手術でしばってしまう
子宮口が勝手に開いてしまうのを予防するために、子宮頸管をしばってしまう手術があります。シロッカー術、マクドナルド術と呼ばれる方法があります。縫合には主に時間がたつと溶ける糸が使われます。その他ホルモン投与が行われることもありますので、サプリメントや健康食品を取っている場合は忘れずに申告しましょう。
|なるべく安静にする
子宮頸管無力症と診断されたなら、子宮を圧迫する行為は良くありません。特に赤ちゃんが大きくなってくる妊娠後期は注意が必要です。早めに産休に入る、家事は夫にお願いする、激しい運動を避けるといった対策をしましょう。
慎重になる必要はありますが、子宮頸管無力症だからといって胎児に悪い影響があるわけではないので、しっかり管理して切迫早産を防ぎましょう。ひとりだと大変なので、妊活中・不妊治療中、あるいは妊娠が分かったら周りに知らせて、協力をお願いしておくと良いですよ。